mnumeda's Diary

Everyday Rec.(Hatena::Diary よりインポート) 

アクセスカウンターアクセスカウンターアクセスカウンター

行火

080129
7:00起床・シャワー。3日前の大根ナマスを作るときの、スライサーで右親指につけた切り傷はやっと奥のほうが塞がりだしたが、表皮の側は、何かに引っ掛けると、奥まで癒着部が引き剥がされそうなので、絆創膏をとっかえひっかえ、当てている。人は、重大な危機や、気がかりな憂鬱の度合いに応じて、事象のサイズに順列を付け、思考の画面に並べ立てて、感じる大きさや、憂鬱さや、気がかりさ、心地よさ、などを、脳のスクリーンに投影する。どんな些細な事柄でも、その時の順位でThe 1st.なら、重大な危機と同じ、サイズで画面は満たされて感情を支配される。今朝は、右手の親指の傷が映し出された。
  一昨夜から、母は行火を要求した。ここに住み込むとき、廊下の台所側の壁に、半畳の幅奥行きの、観音開きのモノいれがあり、空間が5割だったので、自分の衣類や、バッグを収納した。その時、古いブリキのバケツの中に毛糸の腹巻のような袋をかぶせられた、電気コードの巻きついた枕ほどの大きさのものが入っていたのを思い出せた。早速、取り出して、コンセントに挿すと、微かに埃が焼けるにおいが、懐かしく漂うかと感じられ、さぐる指先が、冷え切った毛糸の格子孔からじわりと温か味が上がってくるのを感じて、母の寝床に押し込んだのである。昨冬は、これが無しだった。一昨年は、年に1度くらいしか泊まらなかったので分からないが、母のリザーブシートには今の楽珍な座椅子はなく、寝床が寒ければ、足を櫓コタツに伸ばせばそれでよかった。従って昨年は息子の手前、足が冷えたまま、ちじこまって寝たのだろうか。ま、今年は「行火を出せ」と要求しただけ、進歩か後退かを定かにしないが、変化はあったのである。
  10:00時点で雨止まず。散歩は順延して、買い物や図書館へ行くことにした。小雨が降っていて、風はなく、昨夜より楽な気温だ。図書館で、「市内在住の者の家族ですが、貸し出しカードを作りたいのですが」というと、「職員と代わりますので、」とその方は隣の方を指した。「母が砂田橋で、私は県外ですが、家族なら・・・。」といいかけるとその方は「どちら様ですか?」とその職員様から訊かれた。「×○です。」というと、その方の目は落ちた。前頭葉は一瞬に、『・・・という投書があったので、応対に留意せよ・・・。』とかの、所長ミーティングがあり、その職員様は、「○×某」の情報をインプットされていたに違いない。そこで、『先日は、大変失礼しました。』と言ってくれれば、好きになれたのに・・・その方は損したのだと思えた。それ以上に、微かな寂しさが、湿った空気に漂うように感じた。この感じは、この建物のすべての書籍の頁を繰るたびに、繰り返しやってきそうな予感がする感じだった。それほど自分は鋭敏なのだろうか。「家族の証明はどうすればいいですか」「本人は免許証など、お母様は・・・」「保険証でいいですか?」「そうですね保険証準備できます?」「出来ます、今はありません、では準備してまた・・・。」と引き上げた。さすが、謄本まで行かなかったが、職員様は、家族の証明方法に、経験不足の態をみせ、眉間が瞬間的に暗転した表情になるのを見た。明らかに、家族を証明する方法について、知識が浅い、初めて・・・の様子だった。家族関係という抽象的な集団を証明するのは厳密にいうと極めて難しい筈だ。その困難さが彼女の眉間に暗さとして現れたと思った。
  其の足で、東へ戻り、YAMATOにて買い物する。朝一の混雑が一段落した時間帯のようで、レジも一つだった。ジャガイモ、はっさく、バナナ、ひき肉、鯛のアラ、砂糖、キュウリ・・・。昼はうどんと昨夜のちらしの残り。
  うどんは餅か、鳥かと迷うも、どちらも飽きたので、秋刀魚の蒲焼缶を開けて、レンジ過熱後、うどんのトッピングに母と分けた。まずまず、の嗜好。にしんそばならぬ、秋刀魚うどんとした。母珍しく完食。
  午後、母の保険証を借りて、再度図書館へ向かう。雨は未だ止まず。親友からメールが入った。会社のPCからだ。「スペアのノートまでフリーズした。困った。」と言う内容。あの家には誰も救急お助け隊が居ないから、業者に持ち込むしかないか。図書館受付では、先ほどの職員様は居なく、派遣と思われる方が、「先ほどの・・・」というと覚えておられて、免許証と母の保険証を確認され、貸し出し申請書を確認され、すぐにカードを作ってくれた。その後、日経一月下旬綴りを閲覧、Al地金303円Cu地金793円、下げ止まりか。落ち着いた相場は製造メーカーの事業の安定を伺える。尤も、投機資金が原油やバイオ資源に移っただけのことかな。帰りに早速3冊借りて来た。帰りにマツモトキヨシにて、キッチンペーパー、洗剤、バンドエイド購入。15:00帰宅して、母を口説く「雨が上がったので散歩に行こうよ」、その後も、足が大事、一日一回、と言葉多く口説きまくる・・・とやおら立ち上がった。立ったついでにトイレ誘導して、コートを羽織らせて戸外へ出た。雨上がる直後は、厳寒はない。
  15:30帰宅して、チョコパイとお茶で休憩。NHKの時代劇再放送、の後 黄門を母に見せる。
17:00晩の支度開始。
昼のし残しの洗物、仏壇の花とお茶引き、鯛のアラの熱湯かけ、血洗い、針しょうがの準備、だしは酒、みりん醤油、塩さとう。ペーパーで落とし蓋、1/2に煮詰めてからは弱火で、だしをすくいかけ、1/3に煮詰めて完成。
養殖大鯛ながら、カマ半身で、兜とエラシタでボリュウムは十分だった。箸置きはナバナのからし炒め、なます。
分け前は、母に兜、自分はエラシタ、中骨一切れずつ。二人で骨をしゃぶってbeerをいただく充足感がなんとも言い尽くせぬ・・・。買い食いしているとこの味わいは経験できないと思える。母完食。
  今夜は、母の入浴夜である。明日は、何の予定もない。したがって、選択肢だけが際立つ。読みかけ読書、日展鑑賞、デッサンに色描、取材結果の整理・・・・。多すぎて途方に暮れる。